冬ざれた静かに
移ろう四季をふり返り
風景へ記されたお茶と
その名残りを読む時間
ふいに消えた匂い
未知なるままの味
薄れていく名残り
少しづつを失くしていく中で
残されたものが拙いままに働く
何もない体は不思議に落ちついて
ひと杯は温もりにずっと満ちていた。
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たったひとつのお茶にも
育まれた人の思いや
時をこえた歴史があるもの
見えないけれど
経験してきたこととそのものが
ふと触れあうとき
なにかがうごめき混ざり合う
自分の目的のために変形するのではなく
誰かの目的のために淹れるのでもなく
その水 その茶 その物のなかにすでに存在している記憶を受けとり
ルールだけによらず受動的にしてそのなにかを引きだしていく
こころの深い場所に宿るあたたかさを
感じながら「お茶を読む」
次回 → @on reading 2017.1月「万福」
謝謝