トキのうつりかわり、
はらはらと舞い降りた木の葉をかざり、
いつもより少し華やいだテーブルの上で
林檎をほんのり温めた ’紅の湯を。
口に含むと 誰もが目を閉じて
優しげに蜜色の息を吐きながら、
これからの時間へと
静かに心を目覚めさせていく。
11月の読む時間、
冬の朝 冬の夜、心地のいい始まり。
からだを芯から温めて、頬がふと紅に染まるような「紅音」「野紅」「煌紅」、高い発酵と深い焙煎のお茶。丁寧につくられた人間らしいゆらぎ、そこに宿るあたたかな命の色をいただく。
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この時だけの特別のお茶を、特別な気持ちで淹れ続けることは難しくて、幾度も淹れているうちに少しの余裕が生まれて、心にとりとめのない考えの浮かぶことがあります。
どのときにも平常心をもち、感性と知性の間をしなやかに揺れながら、飲む時間のその瞬間を大切に生かしていくように..、学びは多いものです。
@読む時間 次回は..「四季のこきゅう」
謝謝 念茶