晴れたり曇ったりの空の下
ふいに吹き撫でてゆく風の音
雨の粒 影にみつめた 紫の花
耳をすませて 匂いをかいで
目をとじて いつものやり方で
ささやかな合図をこころに送る。
触れるもの全ての
その生きている表情を確かめながら
はじまりは淡く 柔らかく匂う杯
それからは深く 重たく匂う杯
途切れることなく息をして
茶湯に映る花のひらく風景を
追いかけた読む時間。
6月のon reading'はなの呼吸より
「お茶は人のこころを映す鏡」 そう教わりました。
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飲みほした杯に自分を見つめてくれる人とそうでない人 お茶はどちらにお話をしてくれると思いますか。
その余韻の層は 暮らしに多くを求めリズムが忙しいと気づけない。深い呼吸をしていないとわからない。
何も知らなくてもわからなくても 心が動いていればそれだけで きっとお茶は美味しくいただけます。
説明し難いけれど 一緒にお茶を見つめ 杯をかさねてゆけば 言葉はなくても その一瞬はとても満ちていきます。
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「お茶は飲む人を見ている」 わたしの先生の言葉です。
まだまだ知らないことばかりですが 生まれたご縁をこころへ届くよう大切に生かし合う ただそう思い 日日にお茶を淹れています。
@読む時間 次回は..「しろの呼吸」
謝謝 念茶