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2022年3月6日
朝茶、一席
山の夜明け、 葉先にあつまる光の粒が かすかに訪づれて落ちる、 「その瞬間の味わいよ。」 そう 布朗族の茶師、 黄さんは言っていた。 浮かぶ土の匂い 露の甘やかさを 水に映る風景が包みこむ。 何気なく見ている ふわとしたところを 深く、 その一瞬は 目をそらさずに、...
2022年3月2日
目の前を観察し、祈る
お茶は人の在る姿を映します。 全てを同じにして淹れても こころが違えば、香りや味わい、 ぬくもりや余韵までも変わり そのままの今が茶湯に映ります。 その茶湯をいただくことは 淹れる人のこころもいただく、 ということ。 ひと杯、またひと杯、 喫む人と一緒にわたしも喫み、...
2022年2月6日
遠い場所はすぐそこにある
その旋律を聴くだけで、今みている景色の変わる音楽があるように、 そのひと口を喫むだけで、心の深い場所とアクセスできる茶湯がある。 遠い場所のようで、すぐそこにある世界。 'on falling 席についたら耳を澄ませて目を閉じて、肩の力をぬいて、...
2022年2月2日
往復書翰#1
「さり気なく、佇まいをととのえることから始める茶時。」 ⚪︎ 雪が降りしんとする中、日常の小さな音にも温もりを感じる朝、 はるばる大阪へご旅行の折、一席へお寄りくださったMさんとの書翰。 手にとる道具やうつわを傷つけぬよう、茶を迎えいれる自らの佇まいを整えて下さる、...
2022年2月2日
思いやり、という作法
大切なものを大切だと愛おしむ手で触れる。 手にとる道具やうつわを傷つけぬよう さり気なく佇まいをととのえて下さる、 細やかな振る舞いに、師より教わった 「思いやり」という作法を思い出し、 それだけでこの一席が満ちたものになる、と...
2022年1月4日
新春のお祝いを申し上げます。
息を吸って、ひそやかに 息を吐いて、のうみつに 熟れてなほ歩む趣きへ 呼吸をあはせていると、 茶湯にしみ透った 微かなものが心をとらえて 一瞬のいま、見ている風景に 見えないものを感じられます。 #冬の養生 「野生白老茶」 匂い、味わい、韵、 長い年月の醸すしなやかさ、...
2021年12月29日
2021年 ありがとうございます。
年内の茶室、本日無事に終えました。 この一年の間には新しい多くのご縁をいただき、それが今も優しくて豊かな循環のしていることを、嬉しく感じています。 ありがとうございます。 素朴の場でこうして茶時を続けてこられることは、ご縁を結んで下さる皆さんのお心に支えていただいているから...
2021年11月20日
'on reading
「もう、どこへも行かなくていいわ。」 茶湯のひと口に 一刻の旅をする ほぅと吐く息の口福 その美しいこと、 目の前の命の尊さ 見えていなくてもそれは 肌や心で感じられるものと気づいている人。 答えは誰の声でもなく 自身の体験にあることを信頼している人。 ここにあるものと...
2021年11月5日
朝に映る野生
茶室の朝 このときにだけ描かれる 眩しいほどのひかり 山高く 深い森 白茶仕立ての野生を喫す ひと息に舞いあがる 花のささめき 誰もが息をこぼして ほほえみを交わす おさなくて柔らかな 無垢の味ゆき 乾いた体の中で 根の深い命たゆたう 消えてしまいそうな 静けさにあって...
2021年10月26日
十月室ノート.Ⅱ
ときどき果子を こさえます。 いつも甘みは召し上がらないと仰る方が 思いがけなく自然的で美味しいから 用意のある時は食べたい、とお声を下さる 果実でこさえた果子の優し味。 十月は 無花果の薬茶露(+葡萄酒煮) もう一枚の画像はこさえる度に なんちゃってになるレシピの茶梅、...
2021年10月25日
木犀香湯
乾いた風がふいて 再びの金木犀の匂いに気づくと いっそう秋の深まりを感じます。 山麓の庭には咲いたそうですが 私はその姿を見ることなく過ぎ 鼻腔をくすぐるふいの倖いを また心待ちにしたいことです。 "小さな星屑のような 一花一花 蜜の甘やかに浸けて ゆらゆら湯に溶かす"...
2021年10月19日
十月室ノート
山に枯葉をのこした捩木の 今なお立ち枯れてゆく姿を 住まいの余白に眺めています。 十月室の風景。 場のふるまいや 服する人の呼吸 高揚と静けさ その包容、 一口に沁みいるものが やがて土に還るまでの 自然と人とのかさなりを ひと杯 またひと杯 セオリー通りでなく...
2021年10月7日
有り難うございます
山の中にひっそりと咲いた杜鵑草 生々流転のあはれ、秋を司る白、 光そのもの 此処に触れる すべてを感じられる 瞑想のごとく ヨーガのようで カウンセリングのような セッションのよう 心を合わせたふるまいに 安らかな気配が佇まい 私と話すことで 癒やされています。...
2021年10月5日
砂音 sha-yin
◇砂とは大陸では砂粒をいうのではなく古くより深い鉱脈から採掘した鉱石を風化させて粉砕することで形成する粒子をいい、この粒子に水を加えて菌糸の働きと時を経て粘土鉱物としたものが紫砂泥料、原料の紫砂以外に人為的な合成素材を配合せず鉄分を含む純粋な粉砂質泥岩の塑性により形成したも...
2021年9月29日
水を浄める茶
綺麗なお茶 .. まぶたを閉じて ため息とこぼれる声で そう言ってから 一瞬のかすみに染まり その人は流れにゆれている 喜びを味わう微笑みが 甘やかな匂いを放つ ありのまますぎるほどの姿 一瞬とは 長いものなのかも知れない 私は息をするのも忘れて 見惚れていたのだと思う...
2021年9月6日
老木白
自然のあらゆる生物 それらすべてと共生している 根の深い老樹から摘まれた 小さく嫩らかな茶葉の しみじみとして 語りかけてくるような 素朴な美しさは 眺めてふと心を和ませて 湯にほどけば 一瞬にして私たちを 濃郁の世界へと迎え入れる。 たまらなく好きな、 この感じ。 le you
2021年9月1日
Pressed leafs
ただ一枚の葉にも ひとむれの風の微かな匂いがする 飲み終えたあとにも息をして まだ残る艶艶したもの 触れてひらいて押し葉にすると どこもかしこも植物のそのもの 見るたびに 心がいつも密やかな喜びに揺れる - 茶葉をお求めいただく皆さまそれぞれへ...
2021年8月21日
見つめる
飲む人は茶湯を見つめて 茶湯は飲む人を見ている かすか風に奥ゆかしく匂いまとい 大らかにくつろいだ道をひく 高根老欉の氣韵 - 'on falling 茶、一席 見つめているとそのものの温もりに触れられるような気がしている。言葉はなくても目と目が合うだけで心へ触れたように微...
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